病気の原因

中医薬膳の基本

健康な状態では、人の体は邪気(病気を引き起こす原因)から体の防衛する能力、自然環境に合わせていく調整の能力を持ち、バランスを取りながら日常生活を送っています。

しかし何らかの原因でその均衡が壊れ邪気が侵入すると病気となってしまいます。主な原因は邪気が外から入ってくる場合、臓腑機能の失調、感情の乱れを起因とした邪気が体内から発生してしまう場合、その他の場合となります。

 

外からの邪気

邪気は季節により、春は風邪、夏は暑邪、梅雨は湿邪、秋は燥邪、冬は寒邪が入り込みやすくなります。また、これらの病状は臓腑の失調により引き起こされる場合もあります。これらは単独または二種類以上で、発病します。それぞれに以下のような特徴があります。

風邪……体の上半身に表れやすく、くしゃみや鼻詰まり、目の不調などに表れます。

暑邪……炎熱性があり、発熱、多汗、のどが渇く、夏バテなどが見られ、気血津液を傷めやすいです。

湿邪……粘滞性、渋濁性があり、むくみ、下痢、体が重位などの症状が現れます。

燥邪……乾燥性があり、津液を損傷しやすいです。口や鼻の渇き、皮膚の乾燥、咳などを伴います。

寒邪……陽気を傷めやすく、凝滞性・吸引性があります。寒さや、発熱、悪寒などの冷えを伴います。

疫癘邪気……激しい伝染性のある病気です。流行しやすいので念入りに対応をしましょう。

中からの邪気

体の中から発生する邪気です。感情活動と深くかかわります。

怒……怒りすぎると肝を傷めます。目が赤かったり、ため息、生理不順などを引き起こします。

喜……喜びすぎると心を傷めます。気血を消耗し気を緩め心神を不安定にします。

思・憂…思い込みや憂う気持ちが大きくなりすぎると、脾胃を傷め食欲がない、胃もたれ、吐き気などをもよおします。

悲・憂……無気力・やる気がないなどです。肺気を消耗しやすくなります。

驚・怖い……緊張や不安、眠れないなどの症状があります。恐怖により腎気を傷めます。

 

その他の邪気

過食・飽食・過度の飲酒、拒食、小食、偏食、飲食不潔など、不適切な食事から引き起こされるものがあります。
また、過度の労働、運動不足(休みすぎ)、精神疲労、房事過度(過度の性生活)によるものもあります。
そのほか、けがや邪気などが原因で血の流れが悪くなり病状を引き起こす瘀血、代謝がうまくいかず津液が病的な物質を発生させて、さまざまな不具合を起こす痰飲があります。

まとめ

健康な時から季節や環境の変化についていける体づくりや養生をしていきましょう。

薬膳だけではなく体を動かし、体内の巡りを改善したり、食べ過ぎを防いだりすることでも改善できます。生活に何かを「足す」前に、何かを「減らす」こともとても大切です。

 

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