体質別薬膳 「気虚」・「気滞(気鬱)」

中医薬膳の基本

人間の体を調和がとれた状態にするには、体を構成する「気・血・水」の状態が調和していることが挙げられます。調和とは過不足なく、しっかりと巡っていること。ここでは「気・血・水」の状態で8つのタイプに分け、そのうちの「気」の不調について解説しています。

 

「気虚」って何?

 

気虚とは、気が「虚」している、つまり足りないことです。気の働きは、五臓六腑それぞれの気や経絡の気、基本の気があります。

基本の気の主な働きは、生命の原動力・活動のエネルギー・体の発育・生長・修復、体の外から入ってくる邪気を払うなどがあります。ここが、不足してしまうと、体の発育・生長・修復がうまくいかなかったり、体が冷えてしまったり、外からの邪気を防ぐことができずに、かぜをひきがちだったりします。

気虚があることによって、体の成長・修復などにもエネルギーが回らず、血が作れない状態⇒血虚、血を巡らせる力が足りない⇒血瘀、血を含む体液全般が作れない⇒陰虚、気を巡らせる力が足りない⇒気滞、体内臓腑の働きが低下し体液の代謝がうまくいかない⇒痰湿を招くこともあります。これらの虚や滞りの状態が気虚を発端として、同時に現れてくるのです。

薬膳では気を補う食薬を使い、状態を改善します。

 

「気滞(気鬱)」って何?

 

気滞とは、気が滞っていることです。気はよく巡っていることが良いとされていますが、気が停滞してしまうと、つかえや脹れ、痛みを感じることがあります。長期間の緊張や、不安、ストレスが主な原因とされます。

他にもため息や、うつ、精神不安、食欲不振、わき腹などの脹痛が見られることがあります。女性の場合は生理不順や生理前の乳房の脹れる感じがあることがあります。気は血と一緒に体内を巡るので、気の滞りが血の滞りを生む⇒血瘀、臓腑機能の失調で水が滞る⇒痰湿となり、機体の症状と同時に現れることもあります。

薬膳では気の滞りは肝と関係が深く、肝の気を巡らせることで状態を改善します。

 

まとめ

気は目には見えないエネルギーですが、元気に活動したり、体が病気にならないようにしてくれる大事な働きがあります。人間が「気」を完全に失ってしまったとき、それは死を意味します。気はしっかり補充し、補充したら巡らせることが大切です。

薬膳や漢方のように、食薬の力で状態を改善させることもできますが、まずは、食べたものをしっかりと消化吸収し活用できるように、よく噛んで食べることも大切です。

気の巡りは、体質に合った運動をしたり(気虚の方はバレーやサッカーなどの激しい運動は向きません、ストレッチなどの軽い運動が良いです。)原因となるストレスを発散して対策していきましょう。

 

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