保存版!梅雨の養生の基本

中医薬膳では自然界の陰陽に合わせて心身を整えていくための知恵があります。ここでは、梅雨の心身の状態や養生について解説していきます。
梅雨はいつからいつまで?
梅雨の時期は中医学では長夏と言い、夏の終わりから初秋とされていますが、これは中国の黄河流域周辺を中心とした時の考えによります。日本の場合は夏の始まり頃の梅雨がこれにあたるので季節は5~7月の雨の時季が当てはまります。
梅雨のキーワードは生長・土台・大地
梅雨は春に芽を出した植物も程よい暖かさと雨のためどんどんと生い茂ってきます。とはいっても、人間にとっては少し肌寒く感じることもあります。湿は体を冷やす性質もあるため、冷えのある人は気をつけましょう。
また、陰陽五行説では、梅雨の時期は土にあたり、五臓六腑では脾胃(胃腸)が関係してきます。日本人は、脾胃が弱い人が多く湿度も高いため、季節の変わり目の土用も脾胃のケアをした方が良いと言われています。
立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を土用と言いますが、梅雨に加えそれぞれの時期に脾胃(胃腸)をいたわる習慣を持つと良いでしょう。
梅雨の養生①~気血水と五臓六腑~
薬膳では梅雨に活発になる「脾」の養生が大切になります。脾は飲食物を消化吸収し、気血水生成の源となる物質を作るところです。体のとても重要なところを担っているのです。脾は乾燥を好み、湿度には弱い性質があります。体内に湿度が入って排出されないと脾の働きが落ち、余分な水分を代謝することができなくなり、むくみや頭重感、下痢などの不調が出やすくなります。
気血水では、脾の働きを補う気を高めることと、過剰な湿度は水(津液)の運航を滞らせるので、湿の発散や利尿作用で余計な水分の排出を促すことをします。
土用の養生では、季節に応じた食材と脾に負担をかけない食材を組み合わせ、消化を良くして食べましょう。食材だけでなく、よく噛むことゆっくり食べることなども脾胃の調子を調えるのには良い方法です。
梅雨の薬膳レシピ・梅雨の食材一覧
梅雨の養生②~陰陽五行説~
陰陽五行説では、梅雨は「脾」の他に「口」「涎」「肌肉」「思」「黄」「甘」などに関係が深いとあります。
例えば脾胃の調子が悪いと、「口」の中がねばついたり「涎」が大量に出たりします。調子が良いと「肌肉」に張りがでます。「思」いわずらうことで、脾胃を傷めることもあります。「黄」色いかぼちゃは脾の働きを高め、とうもろこしは水分の代謝を促してくれます。(とうもろこしのひげは玉米鬚/南蛮毛という生薬です)冷たいものや、生もの「甘」いものは、湿をためやすいので梅雨時期は控えておきましょう。
梅雨の養生の基本のまとめ
梅雨は湿度も高く、なかなかすっきりと過ごせる季節ではありませんが、雨は自然の恵みとして欠かせないものでもあります。胃腸の不調をケアしたりや過剰な湿が体内に停滞しないように過ごすことで、乗り切りましょう。
心身のあり方を知り自然界の陰陽とバランスをとっていきましょう。