梅雨の養生~甘味について~

中医薬膳の基本

梅雨の養生~甘味について~

もうすぐ梅雨の時季になりますね。
梅雨の季節に関係があるのは、脾胃・甘味・湿・口・唇などです。

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こんにちは。
こころとからだをつなぐ
国際薬膳師あんずです。

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五行式体表を見るとわかるのですが、
陰陽五行学説では梅雨の時季は「土」に分類されています。
甘味も「土」に分類されるものになります。

甘味は文字の通り甘味を感じる味、主に「糖」のことですね。
「糖」にもさまざまな種類があります。
栄養学的に言えば、単糖類・多糖類などいくつかの分類に分けられ、果糖・ブドウ糖・ショ糖・麦芽糖などがありますが、中医学ではそれぞれ食材が持つ効果・効能をもとに使用していきます。
一般的に料理に使用する甘味調味料について、書いてみました。
選ぶときの参考にしてくださいね。


甜菜糖…グラニュー糖、上白糖など。
原料ビート。精製していてもしていなくても体を冷やす。
オリゴ糖を含む。三温糖は白砂糖を生成後において、残った液糖に何度も加熱を加え結晶させてできた砂糖のこと。

きび砂糖…さとうきびから生成。内臓を温める働きがある。
ビタミンミネラルは豊富。

みりん…米からできた発酵調味料。しかし、ものによっては様々な混ぜ物があるので裏書きを見て購入しましょう。みりん風調味料はみりんではありません。

甘酒…もち米や粳米・玄米・雑穀などと麹菌が原料。発酵により甘さが出ている。
甘酒にも、炭水化物は含まれているので摂取のし過ぎには気をつけましょう。

米飴…飴糖(いとう)・膠飴(こうい)と呼ばれる米と麦から作られた甘味料。漢方薬にも処方される。脾胃・肺を温める作用があり、胃腸を養い肺気虚の咳や息切れ喘息に良い。

はちみつ…中医学ではうるおいを保つ働きがあるとされている。便秘に良い。加工はちみつより天然はちみつを選びましょう。

ドライフルーツ類…レーズン・クコ・なつめ、いちじくなど。甘みをつけるのによい食材。一物全体で取り入れられる。糖分が多い。原材料で効能に違いがある。

ココナッツシュガー・メイプルシロップ・アガベシロップなど…花の蜜や樹液から生成。ビタミンやミネラルが豊富に含まれる。メイプルシロップにはポリフェノール類も含まれている。

その他人工甘味料…果糖ぶどう糖液糖(異性化糖)など。自然から切り離されたものは長年使った場合人体にどのような影響があるか、未知の物。何を選ぶかは自己責任。しっかりと判断してほしいと思います。

まとめ

以上が、主に料理やお菓子作りで使われる甘味料についてです。梅雨時期は、湿の影響で脾胃が弱りがちです。特に脾は乾燥を好む臓器です。甘味は、体内で湿を取り込みやすい性質がありますので、大量に摂取してしまうと脾の弱りにつながり胃腸の不調や体調不良を招いてしまいます。

湿の症状である頭重感やむくみなどが気になる場合は、利尿作用があるものを摂取して利水を促したり、発散を促す食材を取り入れたりするのと同時に、甘味をセーブすることも大事な養生の一つになります。

※参考資料
利尿作用がある食材(一例)……緑豆・小豆・スイカ・きゅうり・とうもろこし(ひげを煎じても良い)・冬瓜など
発散作用がある食材(一例)……葱・生姜・パクチー・茗荷など

関連項目

陰陽五行学説①~陰陽学説~

保存版!梅雨の養生の基本

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