中医薬膳って何だろう?~①中医学とは?

中医学とは?
このサイトでは、中医薬膳学をもとにした薬膳を提唱しています。中医薬膳って何?の疑問にお答えしていきます。中医薬膳を支える理論は中医学です。まずは中医学の説明をしていきましょう。
中医学は古くて新しい学問
中医学の元は、古くからの中国伝統医学です。その歴史は古く、漢民が伝承してきた漢医学、朝鮮民族の朝鮮医学、モンゴル・インド・チベット・ウイグル地区などもそれぞれの伝統の中にそれぞれの医学というものがあります。
それらは、お互い影響を受けあいながら、その土地その土地の気候や民族的体質、文化と相まって多民族の医学が発展してきていました。
中でも人口的、文化的に、最も多い漢民族の理論(思想)を基礎としたものが中医学の中心となります。その歴史は古く、紀元前2000年以上も昔に酒が造られ、それが医療行為に使用されていたと言います。
それから近代にいたるまで、時代や生活環境の変化、思想的な考え方も取り入れながら様々な学説・論説や考え方が誕生しました。それらは進化しながら書物に記されたり、伝承という形で綿々と受け継がれてきたのです。
しかし清王朝末期頃から政治的思惑もからみ、西洋から入ってきた「西洋医学」に台頭されます。それでも、伝統医学の持つその有益性を支持する声は消えることはありませんでした。
1949年の中華人民共和国の成立以降「伝統医学」であった膨大な智慧は、政府の政策として体系的にまとめられることになり、「中医学」として再び復活し、発展することになりました。
その智慧は古くからの物ではあるけれど、学問としてまとめられたのは意外と最近なのです。
中医学の理論
中医学の理論は、陰陽五行学説、気・血・津液の理論、蔵象学説・経絡学説の学説で成り立っています。
特に陰陽五行学説については、説いてあるのは古代中国人が長期にわたる自然現象の在り方から導き出した宇宙の原理であり、哲学的思想(思考)と言えます。その学説はもともと中医学のための学説ではなく、宇宙の中で起こる物事の相互関係や影響の仕方を示したものなのです。
それらの考え方は、深く日常生活に浸透しており、易や風水としても発展しました。その一つとして中医学があり、人体の機能や病理変化に対応させ、診断のものさしとしました。
この考え方は、中医学の根幹の考え方として深く根差しています。
そのほか中医学では気・血・津液の理論、蔵象学説、経絡学説と言った学説を通し、体や心にアプローチします。方法としては鍼灸、漢方薬、あんま、推拿、指圧、薬膳などです。
まとめ
このような理論をもとに、中医学は成り立っています。体や心の動きは相互に関係しあいながら存在します。西洋医学のように部分的に診るのではなくて、全体を見たり、加えて環境なども加味して、原因を探ったり、働きかけたり、予防したりすることができます。方法も同じ病気を治すにも経絡を使って鍼灸・あんま・推拿・指圧などで体の外側から、漢方薬や薬膳のように体の中から働きかけることもできます。次項で、中医薬膳について説明しています。
②中医薬膳とは⇒https://kurashi358.com/281.html
ぜひ、こちらも参照してください。
陰陽五行学説についてはこちら⇒https://kurashi358.com/174.html
気・血・水~体を構成する重要な要素~⇒https://kurashi358.com/100.html
蔵象学説とは⇒https://kurashi358.com/205.html
(※こちらでは薬膳を中心とした情報を掲載しています。経絡については鍼灸院等の情報が充実していますので、そちらをご参照ください。)