陰陽五行学説①~陰陽学説~

中医薬膳の基本

中医学を学ぶときに基礎になる考え方です。中医学には様々な学説がありますが、そのうちの一つ「陰陽五行学説」について解説していきます。

 

陰陽五行学説とは?

 

中国には古代から陰陽学説と五行学説という考え方があります。ふたつをあわせて「陰陽五行学説」と呼ばれることが多い学説です。

これらは宇宙の真理や原理を表したもので古代中国人の自然観・宇宙観を表したものと言えます。ですから陰陽五行学説=中医学ではありません。ベースが陰陽五行学説でその哲学が基礎として生活に溶け込み、風水、易等が発展していっているのです。

そして、それが中医学に応用されたときに、「人体」の各臓器や体を構成する様々な要素が(相対的に)陰陽どちらに分けられるか、五行のどこにカテゴライズされ他の臓器や器官と関係をなしているか見ることができ、それを用いて予防や診断、治療に役立てているのです。

 

解説!陰陽学説

 

まず陰陽学説ですが、世界のすべてのものはふたつ、つまり陰と陽に分けられるとされています。例えば月と太陽、熱いと冷たい、白と黒、動と静、光と影…数え上げればきりがありません。その原理は宇宙の法則であり、その両方があるからこそ自然界に発生・変化・発展・結末があるのです。両方がいろいろな関わり合いをしてバランスを取りながら変化し続けるから、私たちの「世界」は存在していられるのです。

陰陽のあり方と変化する関係性。これを、簡単かつ確実に表した図が太極図(陰陽魚とも言います)になります。
太極図の白は陽を、黒は陰を表しています。四方から見るとわかるように図では、陰と陽のあり方に変化があります。陰が多い部分もあれば陽が多い部分もある、消えそうになるところもあります。
ちなみに、白(黒)の中に黒(白)がある部分は、陽中の陰(陰中の陽)と言い、どんなに陰陽の割合が片方だけ大きくなっても、100%陽または陰になることはないということを示しています。

陰陽の関係性については、下記で説明していきます。

 

 

陰陽の関係性

 

陰陽は様々な関係性の中で変化をしています。ここでは4つの関係性について解説していきます。

  • 陰陽の対立と制約

    日が昇ると明るくなり、夜になると暗くなる。時に、相手を抑えたり協調したりしながら変化のある中にバランスが取れている状態です。バランスが取れている状態を「陰平陽秘(いんへいようひ)」と言います。

  • 陰陽の互根五用 

    陰陽は対立と制約の関係を持ちながら、相互依存の関係もあります。陰がなければ陽もなく、またその反対も然りなのです。大地が存在しなければ天空は存在しません。昼がなければ夜が存在しません。相手がいなければ、自分も成り立たないのです。

  • 陰陽の消長と平衡 

    陰陽は変化します。1年で言えば、夏は暑く次第に温度が下がり、冬を迎えます。冬が過ぎればまた春が来て夏を迎えます。一年の中で陰が小さくなったり陽が大きくなったり、またその逆であったりしながら世界は作られます。

  • 陰陽の相互転化 

    陰陽の変化が一定の程度、段階に進んだ場合、陰が陽になったり、陽が陰に変化したりします。【陰極まりて陽になる】・【陽極まりて陰になる】状態です。たとえば極寒の中、外出したとして体が芯まで冷え切ってしまいカゼをひくと、高熱が出る、そういった感じです。

 

以上が、陰陽五行学説の中の陰陽学説についての解説になります。

五行学説については【陰陽五行学説②~五行学説~】で説明しています。

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