保存版!冬の養生の基本~中医薬膳編~

中医薬膳の基本

中医薬膳では自然界の陰陽に合わせて心身を整えていくための知恵があります。ここでは、冬の心身の状態や養生について解説していきます。

 

冬はいつからいつまで?

 

冬は、寒さが一年の中で最も厳しい時期になります。中医学では二十四節気を基に陰陽の消長(バランス)で考えていきますが、冬は11月7日の立冬から冬至をはさみ、2月3日頃の大寒の時期までを指します。

秋分から自然界の陰陽は、陰の方が旺盛で、陽の方が弱くなっていました。その陰の力が最も旺盛になるのが冬至です。冬至を過ぎると徐々に陽気が増してきて、相対するように陰の方は弱まっていきます。そうして春に向かっていくのです。

 

冬のキーワードは閉蔵・貯蔵・補う・養う

 

冬の間、自然界の生物たちは春に向けて精気を貯蔵します。春になったら植物は芽を出し、動物たちは動き始めます。その、スタートの力、伸びあがっていく力を秋冬のうちに蓄えて漏らさないようにしておくのです。

冬の養生は、体内の陰陽である気・血・水を十分に補っていくことが重要になります。保温も大切です。もちろん、冬に入ったその日から急激に食事を変えなさいというわけではありません。徐々に上がる陰気と下がっていく陽気と心身を食材や調理法を工夫しながら、リンクさせていくことが大事なのです。春間近になったら、特に陽気を養うことを心がけると良いでしょう。

また、太陽の光にあたったり、睡眠時間を長めにとることも心身の保養になります。冷たいものを体の中に入れないことも養生の一つです。大寒は一年の中でも最も寒い時期となりますが、春までもう少し。冬の養生が次の一年を作ります。次の一年が、素晴らしい年となるよう準備をしておきましょう。

冬の養生①~気血水と五臓六腑~

 

薬膳では冬に活発になる「」の養生が大切です。人間の体を構成する大切な要素に「気・血・水」がありますが、養生では気・血・水いずれも大切になります。すべてを補い、体内に精気を蓄えていくのです。

同時に、保温や気・血・水の巡りも大切になります。寒気が人に及ぼす力は強く、かぜや高血圧など病気の原因になることはもちろん、気・血・水の滞りも生みやすくなります。滞れば、痛みが出たりしもやけになったりすることもあります。⇒冬の薬膳レシピ・冬の食材一覧

 

冬の養生②~陰陽五行説~

 

陰陽五行説では、冬は「腎」の他に「二陰・耳」「唾」「骨」「恐・驚」「黒」「鹹」に関係が深いとあります。中医学でいう腎は、西洋医学でいう尿を作る腎臓の働きでだけなく生殖機能も含みます。腎の衰えは老化に直結しています。「二陰」とは肛門と陰部の事。老化に伴い、生殖機能の衰えや「唾」が出にくくなったり「骨」がもろくなってしまったり。

他にも「髪」にも関係が深く、髪も老化すれば白髪になったりコシがなくなったり抜けたりします。冬に精気を蓄えて養生することは、美容にも通じることなのです。「黒」酢や黒糖などは、体を温める働きがあります。他にも、黒い食べ物は腎に良いとされています。おせち料理の中に入っている、黒豆・昆布・ごまめなどもよいでしょう。

「鹹」はしおからいの意味です。「鹹味」は塩味の事。冬の「鹹」味の使い方は特に気を付けることはありませんが、極端な摂りすぎ・摂らなさすぎ、どちらも体にとっては好ましいとは言えません。また、考え方も様々です。病気のある方は気を付けないといけない場合もあります。質のよいものを、ご自分にとっての適量ご使用になるのがいいでしょう。

まとめ

 

冬は様々な不調が出やすい時でもありますが、自然界の陰陽のバランスや心身のあり方を知っておくと、寒くなりそうな時、積極的に温まる食材を食べようかな、冷たい食べ物は控えた方がいいかなと対応することができます。

ちょっとした不調の原因が季節の不具合だと知ると対処法も見当がつき、心も体もすっきりさせることができます。

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