体質別薬膳 「血虚」・「血瘀」について

中医薬膳の基本

人間の体を調和がとれた状態にするには、体を構成する「気・血・水」の状態が調和していることが挙げられます。調和とは過不足なく、しっかりと巡っていること。ここでは「気・血・水」の状態で8つのタイプに分け、そのうちの「血」の不調について解説しています。

 

「血虚」って何?

 

血虚とは、血が「虚」している、つまり足りないことです。これは血の量だけではなくて質も含みます。血は人体を構成する基本の物質で生命活動を維持します。血の状態が良いと、臓腑に血の営養が巡り、活発に活動することができます。体だけでなく精神とも深くかかわっており血が充実していると、精神安定となりよく眠れます。

したがって、血虚があると、不眠や多夢になることもあります。血が「虚」していることで、流れが悪くなり滞ってしまうと「瘀血(血の塊)」が発生⇒血瘀となり、血虚と血瘀が同時に見られることがあります。薬膳では 血を補う食薬を使い、状態を改善します。

 

「血瘀」って何?

 

血瘀とは、血が滞っていることです。血が滞ると塊になり、病的産物で「瘀血」と呼ばれます。詰まったり、滞ったりすると腫瘤の原因になったり、生理時にレバー状の塊が出たりします。

血瘀の体質は体の外側から見ても分かります。顔色や爪や舌が青っぽかったり黒っぽい感じになるのです。唇も紫色です。また、刺すような痛みや筋腫、出血を伴うこともあります。主な原因は臓腑機能の失調やけが、邪気とされます。

頭痛、偏頭痛、胸痛、胃痛、脇痛、生理痛などの原因にもなります。薬膳では 血の巡りを良くし瘀血を解消することで改善します。

 

まとめ

 

血は体中を巡り、営養を体中に届けてくれる重要な物質です。しっかり補充し、滞ってしまわないよう巡らせることが大切です。

薬膳や漢方のように、食薬の力で状態を改善させることもできますが、まずは、食べたものをしっかりと消化吸収し活用できるように、よく噛んで食べることも大切です。

巡りの改善には運動も良いでしょう。体内を血は気の力を使って生成されたり、巡ったりしているので、気のケアも同時に行うと良いでしょう

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