保存版!秋の養生の基本

中医薬膳では自然界の陰陽に合わせて心身を整えていくための知恵があります。ここでは、秋の心身の状態や養生について解説していきます。
秋はいつからいつまで?
秋は気候も涼しくなり植物が実り、収穫の時期を迎えます。中医学では二十四節気を基に陰陽の消長(バランス)で考えていきますが、秋は8月7日の立秋から、秋分を迎え、11月6日頃の霜降の時季までを指します。
8月と言えばまだまだ暑く、夏!という感じなのですが、そのころから徐々に乾燥も始まってきます。暑さが残りつつも乾燥が始まる秋の初めを温燥、気温が低くなってからの時季を涼燥と言います。
秋のキーワードは収穫・収斂・デリケート
自然界の陽気(陽気の説明はこちら⇒陰陽五行説)は夏至からどんどん少なくなり秋分を境に陰陽が逆転し、陽気よりも陰気の方が盛んになってきます。
それに伴って動植物は、栄養を体内に蓄え冬に備える準備をします。秋の食事は陰陽のバランスを考慮し心身を食材や調理法を工夫しながら、季節と体をリンクさせていくことが大切です。温かい温燥の時季には体を冷やすものを食べても大丈夫ですが、涼燥の時季には体を温める食材を積極的に摂取するなど、気候を肌で感じ、自然の変化に目を止めながら、丁寧に過ごしていくと良いでしょう。乾燥の対策は加湿やこまめな水分補給などでも行いましょう。
秋の養生①~気血水と五臓六腑~
薬膳では秋に活発になる「肺」の養生が大切です。肺はとてもデリケートで四季の変化によく反応しています。特に乾燥には敏感です。肺はきれいな環境や空気、潤いを好み、乾燥を嫌います。そのため、肺を傷めるとかぜをひきやすくなります。また、肺は呼吸だけでなく全身の水分の代謝のコントロールもしていて、特に大腸や肌と関係が深く、全身の乾燥が進むと便秘になったり肌がカサカサしたりします。肺の養生はとにかく、肺気を養い、潤いを補充し乾燥させないことに尽きます。
秋の薬膳レシピ・秋の食材一覧
秋の養生②~陰陽五行説~
陰陽五行説では、秋は「肺」の他に「鼻」「涕(鼻水)」「皮毛」「悲・憂」「白」「辛」などに関係が深いとあります。例えば、肺が乾燥にさらされるとかぜをひくことがあります。かぜをひくと、早い段階で「鼻」がむずむずしたり、くしゃみや「涕(鼻水)」の症状が出てきます。全身の乾燥から「皮毛」(肌)がカサカサしたりします。秋になると不思議ともの「悲」しい気持ちが押し寄せてきたり、ロマンチックな気持ちになったりすることもあります。
「白」色の百合根や松の実、牛乳などは体を潤す働きがあるので積極的に摂りましょう。生姜や唐辛子などの香辛料や「辛」みのある食材は、肺に刺激を与えやすいので控えめにしておくのが良いでしょう。
まとめ
秋は天気がいい日も多く気温も過ごしやすい良い季節です。夏の活動期から少し落ち着き、植物の実りにあやかって、おいしいものを食べたり勉強にいそしんでみたりするのもおすすめです。
来るべき冬に向かって、寒さが増していきますので陽気の減りと共に冷え対策も行っていきましょう。