体質別薬膳 「陽虚」・「陽盛」

中医薬膳の基本

人間の体を調和がとれた状態にするには、体を構成する「気・血・水」の状態が調和していることが挙げられます。調和とは過不足なく、しっかりと巡っていること。ここでは「気・血・水」の状態で8つのタイプに分け、そのうちの「水」の不調について解説しています。

 

「陽虚」って何?

 

陽虚とは陽が虚している、つまり足りないことです。陽とは、陽気の事。陽気は生命エネルギーです。陽虚は気虚よりも陽気が下がり、臓腑の機能が低下してしまった状態です。特に冷えの症状が顕著で、痛みもある場合があります。臓腑機能の低下から血瘀・気滞・痰飲など滞りの症状が出やすくなります。

また、陽気が足りないことによって陰の成分である血や、水(津液)を生成する力も弱まり、陰陽の両方が虚してしまう場合もあります。これらはもとからの虚弱体質、老化、慢性病、過労、気虚の悪化により引き起こされます。臓腑を温めたり、気を補うより強い補陽の食薬を摂ることが改善の一歩です。

同時に体の中からも外からも「冷やさない」生活習慣を心がけましょう。

「陽盛」って何?

 

陽盛とは、陽気が亢進した状態のことを言います。体格はがっちりとしており、活動的、食欲も旺盛で一見、とても健康そうな感じがします。ところが、陽が良くないほうへ亢進してしまうと、興奮状態を招いたり、体熱が異常に熱くなって口臭や便秘や出血、炎症を招いたりすることがあります。

臓腑の強盛によって、臓腑機能の失調が起こると痰が発生し、痰湿の症状と同時に出ることもあります。体を冷やすものを食べて対応します。

 

まとめ

陽気は、生命の根幹のエネルギーです。不足すれば、様々な不調が出てきます。冷えは万病のもとと言いますが、冷えれば体の細胞の生成が緩慢になったり、巡りが不順になったりして、体を健康に整える「気・血・水」がうまく働かなくなるのです。

このように冷えも大変な症状ですが、反対に熱の持ちすぎも良くありません。日々、自分の体に目を向けバランスを取り、中庸を目指しましょう。

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